「市場分析」

グランビルの法則


ジョゼフ・E・グランビル氏が考案した相場理論のこと。

移動平均線の傾きや、移動平均線と価格の位置関係から8つの売買サインに分類することで、売買タイミングの判断に利用されている


参考とする移動平均線に決まりはないが、多くのトレーダーが使用している200日移動平均線を使用するのが一般的。①と⑤、④と⑧は利幅を大きい分、判断が難しいとされている。


買いサイン


①上向きまたは横ばいの移動平均線を価格が下から上へ抜けた場合。

②上向きの移動平均線を価格が一時下抜けた後に、再度上抜けた場合。

③上向きの移動平均線の近くまで価格が下落し、移動平均線を下抜けることなく再度上昇した場合。

④価格が下向きの移動平均線の下に大きく乖離した場合。


売りサイン


⑤上昇から横ばいまたは下向きに転じた移動平均線を、価格が上から下に抜けた場合。

⑥下向きの移動平均線を価格が一時的に上抜けた場合。

⑦下向きの移動平均線の近くまで価格が上昇し、移動平均線を上抜けることなく再度下落した場合。

⑧価格が上向きの移動平均線の上に大きく乖離した場合。


信用評価損益率


信用取引を行っている投資家がどれくらい含み損益を抱えているかをパーセンテージで表した指標のこと。

日経平均の推移と相関関係にあり、相場の天井・底入れの判断に利用されている


一般的に、個人投資家は評価益が出るとすぐに利益確定を行う傾向が強いため、通常は信用残高は含み損を抱えている状況になる。そのため、信用評価損益率はマイナスの値を示すことが多く、概ね0%〜-20%で推移する。


計算式:

信用評価損益率(%) = 評価損益額 ÷ 信用建玉残高(買建のみ) × 100


確認方法と公開タイミング:

nikkei255jp・・・前週金曜日の二市場(東証・名証)の信用評価損益率を翌週水曜日に公開。

松井証券・・・松井証券店内の信用評価損益率を毎日公表。参照には口座開設が必要。


数値の目安:

-20%前後・・・底入れのサイン(※-10%あたりから追証が発生し始める)
0%前後・・・天井圏に達したサイン


信用倍率


信用取引の買い方と売り方の状態を表す指標のこと。

信用買いや信用売りは将来に返済義務が生ずるため、数値が1倍から離れるほどトレンド転換が起こりやすくなる。

但し、信用買い残や信用売り残の数、トレンド等の状況によるため、数値だけでは一概に上昇や下降のサインは見極められず、他の指標と複合的に考える必要がある。


また、逆日歩が発生した場合は、近々上昇に転じる可能性が高いが、一時的な上昇の場合も多いため短期トレードに留めるほうがよい


計算式:

信用倍率(倍) = 信用買い残 ÷ 信用売り残


確認方法と公開タイミング:

IR BANKの買い長/売り長ランキング・・・取引日の12:00頃まで前営業日分が発表される。

IR BANKの逆日歩ランキング・・・取引日の12:00頃まで前営業日分が発表される。


数値の目安


1倍前後で停滞・・・買い残と売り残が拮抗しており、資金力のある大口投資家の影響を受けやすい状況。初心者の取引は危険。

1倍以上で数値が増加・・・買い圧力が強い。短期は上昇、先々は下降のサイン。

1倍以下で数値が減少・・・売り圧力が強い。直近は下降、先々は上昇のサイン。

数値が減少し逆日歩が発生・・・近々株価が上昇に転じるサイン。


チャートパターン


トレンド変換の判断に利用されている


上昇トレンドへの転換サイン


・ダブルボトム(二重底):

株価が大きく下降した後にいったん上昇に転じ、そこから再び下降して前回の安値近辺で切り返して再上昇、その後、そのままネックライン(二つの安値の間の山にあたる部分の値段)を上回った状態のこと。


・トリプルボトム / 逆三尊天井:

株価が大きく下降した後にいったん上昇(①)に転じ、その後下降(②)→上昇(③)→下降(④)→上昇(⑤)と動き、ネックライン(①と②の間の山と③と④の間の山を線で繋いだライン)を⑤の上昇が上回った状態のこと。


同水準の三つの安値(谷)と二つの高値(山)で形成されるチャートパターンをトリプルボトムと呼ぶのに対し、三つの安値(谷)のうち中央の安値(谷)が他の安値(谷)よりも低いチャートパターンを逆三尊天井と呼ぶ。

ダブルボトムよりもトリプルボトム、トリプルボトムよりも 逆三尊天井の方がより強い上昇トレンドへの転換を示唆している。


下降トレンドへの転換サイン


・ダブルトップ(二重天井):
株価が大きく上昇した後にいったん下降に転じ、そこから再び上昇して前回の高値近辺で切り返して再下降、その後、そのままネックライン(二つの高値の間の谷にあたる部分の値段)を下回った状態のこと。


・トリプルトップ / 三尊天井:

株価が大きく上昇した後にいったん下降(①)に転じ、その後上昇(②)→下降(③)→上昇(④)→下降(⑤)と動き、ネックライン(①と②の間の谷と③と④の間の谷を線で繋いだライン)を⑤の下降が下回った状態のこと。


同水準の三つの高値(山)と二つの安値(谷)で形成されるチャートパターンをトリプルトップと呼ばれるのに対し、三つの高値(山)のうち中央の高値(山)が他の高値(山)よりも高いチャートパターンを三尊天井と呼ぶ。

ダブルトップよりもトリプルトップ、トリプルトップよりも 三尊天井の方がより強い下降トレンドへの転換を示唆している。


ゴールドンクロス / デッドクロス


ゴールデンクロスとは、長期の移動平均線を、短期の移動平均線が下から上に突き抜けた状態のことで、これから相場が下降傾向になるかもしれないという売りサインのひとつ。


デッドクロスとは、長期の移動平均線を、短期の移動線が上から下に突き抜けた状態のことで、これから相場が上昇傾向になるかもしれないという買いサインのひとつ。


移動平均線は5日と25日、13週と26週を使用するのが一般的。

短期トレードには不向きな指標で、中長期トレードでのトレンド転換の判断に利用されている


移動平均線乖離率


現在の価格が移動平均線からどれぐらい離れているかをパーセンテージで表したもの。

株式の買われ過ぎや売られ過ぎの判断に利用されている


移動平均線は価格の動きの慣性を引き出したものであり、移動平均線に対して価格が離れすぎた乖離率の拡大は価格が上下に行きすぎた状態なので、価格は移動平均線の慣性力に引き戻される。


計算式:

移動平均乖離率(%) = ( 当日の終値 - 移動平均線の値 ) ÷ 移動平均線の値 × 100


数値の目安


5%以上・・・近々調整局面となる。

10%以上・・・買われすぎ。天井圏のサイン。

-5%以下・・・近々調整局面となる。

-10%以下・・・売られすぎ。底値圏のサイン。


業種別ETF


景気の動向や国内外の情勢のより、同業種の複数の会社で同じトレンドを形成することがあるが、その場合は各業種のトレンドをETFを使用して確認することができる。


1617 食品

1618 エネルギー資源

1619 建設・資材

1620 素材・科学

1621 医薬品

1622 自動車・輸送機

1623 鉄鋼・非鉄

1624 機械

1625 電気・精密

1626 情報通信・サービスその他

1627 電力・ガス

1628 運輸・物流

1629 商社・卸売

1630 小売

1631 銀行

1632 金融(銀行以外)

1633 不動産

2644 半導体

1478 高配当銘柄


その他


日銀の利上げ→株安(但し、景気の上向きが本物なら長期的には株高になる)

円高→株安(業種にもよるが日経平均としては株安に向かいやすい)

NYダウ下落→株安(NYダウは日経平均とほぼ相関関係にある)

スポーツイベントの直後→市場が大きく動きやすい

国内外の大きな事件・テロ・災害発生→市場が大きく動きやすい

要人の発言後→市場が大きく動きやすい