「ファンダメンタルズ」

EPS


1株当たり純利益。

株価はEPSの値に成長性を織り込んだ数値となる。


ポイント

・数値が高いほど企業の収益力は高い。

・前期に比べてEPSが伸びていれば成長性がある。

・IT系に限り、売上が伸びて入ればEPSがマイナスでも広告費を止めればEPSは向上するためあまり問題視されない。


注意点

・発行済株式数の増減によっても変動するため注意。


計算式

 EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数

 ※当期純利益とは、企業が1事業年度(通常は1年間)に上げた収益から、税金費用を含むすべての費用を差し引いた利益のこと。


ROE


自己資本利益率。

株主が出資したお金を元手に、企業がどれだけの利益を上げたのかを数値化したもの。経営のうまさを表す。


ポイント

・ROEが高いほど資本をうまく使って、効率良く稼いでいる会社と言える。

 ※一般的には10%~20%であれば優良企業。17%以上の会社は概ねすごい成長を遂げている。


注意点

・自社株買いや増配で自己資本を減らすテクニックもあるため注意。

・総資産と当期純利益が同じ企業を比較した際、ROEだけ見ると負債の額が大きいほど効率良く資金を使って利益を上げているように見えるため注意。

 ※総資本とは、自己資本(純資産)と他人資本(負債)を合計した総額

・ROEとROAはセットで見る必要がある。


計算式

 ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

 ※当期純利益とは、会社が1事業年度の営業活動で株主全体にもたらした利益。

 ※自己資本とは、株主が出資したお金など返済する必要のない資産。

 ※例えば、株主から集めた1億円を元手に企業が1事業年度(通常は1年間)活動し、最終的に5,000万円の利益を上げたなら、ROEは5,000万円÷1億円×100%=50%となる。


ROA


総資産利益率。

総資産を元手に、企業がどれだけの利益を上げたのかを数値化したもの。経営のうまさを表す。


ポイント

・ROAが高いほど資本をうまく使って、効率良く稼いでいる会社と言える。

・5%を超えていると優良企業。


計算式

 ROA(%) = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100


売上高営業利益率


本業で設けた割合を表す。

売上高から売上原価と販売管理費を引いた、営業利益の売上高に対する割合。

※販売管理費とは、企業が事業活動をするなか、販売業務や管理業務で発生した経費のこと。


ポイント

・売上営業利益率が高いほどその企業が価格競争に巻き込まれていないと言える。

 ※過去に比べて低下していっていないかをチェックする。(何%ならよいという指標はない)

・同業種で比較するとよい。

・利益率が高いということは、ブランド力がある、経営効率化がされており無駄がないということ。


計算式

 売上営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100


売上高成長率


企業の売上高の伸び率のこと。


ポイント

・売上高成長率が高いほど前期よりも成長したといえる。

・通期で毎年2桁以上伸びていることをチェックする。(1度くらいなら1桁がある年があっても問題なし)


注意点

・売上が伸びていないのにEPSが上がっている場合は、発行済株枚数が増えているか特別な利益が出ただけの場合が考えられるため注意。


計算式

 売上高成長率 = ( 当期売上高 - 前期売上高 ) ÷ 前期売上高


損益計算書(P/L)


会社の利益を知ることができる決算書類のこと。


PER


株価が割安か割高かを表す。

ポイント

・過去のPERと比較して考える。

・各業界の平均PERで見る。

 ※業界は33業種ある。


注意点

・PERが高い=割高=危険 ではない。あくまでも期待値が高いということ。


計算式

 PER = 株価 ÷ EPS

PBR


株価が割安か割高かを表す。


ポイント

・目安は1倍


計算式

 PBR = 株価 ÷ BPS

 ※BPSとは、一株あたりの純資産。


PSR


株価が割安か割高かを表す。

主にグロース株に使うことが多い。


ポイント

・特にIT系のグロース株は利益が赤字で売上だけ伸びているパターンが多くPERは使えないためこちらの指標を使う。

・目安は20倍以上で割高。


計算式

 PSR = 時価総額 ÷ 売上高


自己資本比率


返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%を占めるかを示す数値。

少なくとも30%以上が望ましく、40%以上なら倒産リスクは少ないとされ、50%以上であればかなり良好とされるが、業種や経営形態により適正値は異なる。


ポイント

・値が低すぎると倒産リスクだけでなく、景気の悪い時に資金調達ができず生産性を落として事業を行う必要がでるなど、競合他社よりも競争優位性を落としてしまう懸念もある。

・値が高いと返済や利息が少なく、安定した経営であると言えるが、イコール優良企業ではない点に留意する。企業が他社より大きく成長するためには他人資本を使って効率よく事業を運営する必要があり、あくまでも適正値の範囲かに着目することが重要。


計算式

自己資本比率(%) = 自己資本 ÷ 総資本 × 100